2005年3月25日

今日は14時から市役所に隣接する総合教育センターの研修室で、伊丹市の環境マネジメントシステム運用に関する研修会が行われた。会議には環境マネジメントシステムのキーとなる総務や企画・財政関係課の課長クラスの方7~8人が集まった。みどり環境部長のNさんの挨拶の後、環境マネジメントシステムの必要性について僕が話をし、その後八幡市環境保全課のN課長がLAS-Eに沿った八幡市の環境マネジメントシステムについて話をした。続いて伊丹市の環境マネジメントシステムの運用の手引きの素案についての説明が環境保全課のY課長から行われた。その後質疑応答が行われたが、八幡市の実際の運用に質問が集中し、参加した課長さん達は環境マネジメントシステム導入には前向きに考えている印象を受けた。

会議は2時間で終わり、Y課長が天然ガス車で今日の宿とする尼崎のホテルニューアルカイックまで送ってくれた。伊丹市は今回で3回目になるが、まだ市内をゆっくりと回ったことがない。今度来るときは市内に泊まり、主要なところを巡ってみたいと思う。

余談だが翌日、地元兵庫の神戸大付属が昨夏優勝の駒大苫小牧に完封勝ちした。またジンクスが当たった。

  

2005年6月28日
 午前中、大学で2つの授業を終え、12:49東大宮発上野行きで東京方面へ、東京発13:50発のぞみで16:27新大阪着。在来線を乗り継いで尼崎でJR福知山線に乗り換えて伊丹に向かう。途中100名余りの尊い命を奪った、列車転覆事故のあった問題のカーブにさしかかる。例のマンションは工事用パネルで覆われており、事故の痕跡は見られないが、思わず身震いする。伊丹駅に17時頃着くと、環境保全課のY課長と担当のFさんが迎えに来て入れていた。迎えは辞退していたのに2人で来てくれて大変申し訳なかった。
市役所では、環境マネジメントシステムの内容やスケジュールを検討するために、今日はまず平成15年に策定した地球温暖化防止実行計画の策定プロセスや内容について、Fさんと当時の資料を見ながら確認していく。またその前に策定されていた率先行動計画についても、資料をひっくり返しながら内容等の確認をしていった。ごみ箱やコピー機の様子も確認した。だいたいの経緯や問題点を理解して、19時半ごろこの日の打合せを終えた。
 この日泊まったのは、阪急伊丹駅に近い伊丹シティホテル(旧伊丹第一ホテル)。綺麗なホテルだったがビジネス利用としては値段が少々高い。インターネットが使える情報コンセントが部屋についていたが、マニュアルが簡単すぎて使い方がよくわからない。フロントに聞くのも面倒なので自分の携帯電話にパソコンをつないでメールチェックをした。
 
 翌朝は阪急伊丹駅のバス2番乗り場から8:29発昆陽台行きバスで市役所前8:40に着いた。9:00から作業室にこもってFさんと環境マネジメントシステムの文書類の内容を逐一検討していく。ところが「伊丹市環境マネジメントシステムの運用に関する要綱」だけで2時間近くかかってしまった。「取り組み項目および目標」「環境マネジメントシステムの実施要領」は、修正のポイントだけ打ち合わせして、環境マネジメントシステムの構築スケジュールについて詳細に検討していく。これらの文書の加筆修正を分担して行ったが、作業は13時近くまでかかってしまった。
 お昼は市役所のはす向かいにある「ボンズ」という居酒屋レストランで取った。日替わり定食はわりと安くておいしかったが、最近あまり食が進まないので残してしまった。
14時からはY課長、H副主幹、M副主幹が加わって環境マネジメントシステムの構築スケジュールについてひととおり説明した後、課内の体制やスケジュールについて議論した。15時20分を過ぎたところで時間切れとなり、市役所を辞してJR伊丹駅からまた事故現場を通り、東海道線と湖西線を乗り継いで高島市へ向かった。

  
                  市役所正面                                             コピー機と複合機
  
                  3階のごみ分別BOX                                「ボンズ」の日替わり定食

2006年5月31日

今日は環境マネジメントシステムの職員研修(実行責任者である課長や部長の研修)で、伊丹市を訪れた。昨年6月末に訪れて以来、11ヶ月ぶりの訪問である。第1回目の研修は13:3015:00までで、市役所本庁7階の第7会議室で行われ、70名ほどが集まった。環境保全課のY課長の司会進行で、まず総務部長が挨拶し、そのあと担当のF♀さんが市としてのこれからの取り組みについて約10分説明した。その後、私がLAS-Eによる環境マネジメントシステムについて、約1時間説明した。最後にH副主幹が具体的なスケジュールについて説明し、質疑応答にはいったが、とくに質問などは出なかった。

 その後3階の環境保全課に戻り、明日午後からの目標設定委員会の事務局原案について協議した。温暖化実行計画の目標管理をすることがLAS-E導入の目的の1つであるため、エコアクション部門のH18の独自目標は、実行計画の目標年次であるH19の目標達成を睨んで設定することになる。基準年次であるH13H19の年次割りの目標を立てるか、H17の実績を元に立てることの2通りが考えられる。ところがH17の集計がまだできていないのだそうである。そこで明日はH16の実績を示し、それをもとに議論してもらうことになった。

 今日は夕刻から関西の環境自治体会議に所属する自治体が集まって行う2回目の飲み会があるので、私は一足先に宿泊先の伊丹シティホテルに送ってもらってチェックインを済ませ、JR伊丹駅で18時すぎに待ち合わせることになった。シティホテルからJR伊丹駅まで歩いていったが、少し時間があったので駅前を散策した。駅前はきれいに整備されており、インターロッキングの歩道やペディストリアンがあり歩きやすくなっている。驚いたのは駅前に有岡城趾が復元されていることで、規模はそう大きくないのだが、一等地にこうやって残すことは珍しい。


 

               JR伊丹駅前                                            有岡城趾

 伊丹市の職員5人と駅で合流し、会場の大阪京橋に向かって19時前に到着。会場にはすでに他の自治体の職員の皆さんが集まっておられた。大阪府池田市のN課長にUさん、箕面市のKさんにS♀さん、豊中市のUさん、枚方市からは異動になったIさんやN♀さんら総勢5名、交野市からOさん、それに京都府八幡市からは異動になったN課長とHさん、それにK課長とN♀さんなどの総勢約20名が集まって、個室で盛大に行われた。料理を食べるのもそこそこに、席を変えながら名刺交換したり、議論したりして楽しいひとときだった。21時半頃締めを行って私は何人かの人と一緒に帰ったが、半分ぐらいはまだ続けてわいわいやっているようだった。3回目は八幡市のN♀さんが幹事をやることになった。関東ではこんなことは一度もしたことがない。恐るべき関西パワーである。

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 今日はまず9:00からY課長の付き添いのもと、藤原市長と30分ほど懇談した。もと建設官僚だけあって理路整然と話をする方である。環境自治体会議への入会およびLAS-E導入のお礼を述べた後、市長が力を入れていることについてお聞きした。景観行政のことや、昆陽池の水質浄化・自然再生のことを話された。ISOを入れずになぜLAS-Eにしたのかも、きちんと自分の言葉で話された。LAS-Eの市民監査方式が伊丹市まちづくり基本条例で掲げている市民自治の理念を具現化するものであることを伝えると、うなずいておられた。今まであった首長の中でもかなりの切れ者であると感じた。市長にはこの機会に環境自治体宣言をして内外にアピールし、市民意識を向上させてはどうかと進言したが、今はトップダウンで住民を引っ張っていく時代ではなく、市民意識が向上して市民の側から提案してきたらとりあげたい旨話された。後で聞いた話では伊丹環境ネットワークからも同様の提案をしたが、同様のことを言われたのだそうだ。

 10:00からは2回目の研修で、前日同様70名ほどが集まった。今日は目標設定委員の市民の方も同席してくれた。今度は市民部長が挨拶しFさんの説明の後、また1時間ほど話した後、H副主幹が具体的なスケジュールについて説明し、質疑応答にはいった。今日は2名の方から突っ込んだ質問がいくつかあった。あとで聞くと部長と室長だそうで、上の方が関心を示してくれていることが嬉しかった。

 12:00からは昼食をとりながら目標設定委員会のメンバーと環境保全課のY課長、H副主幹、KW♀さん、F♀さん、KG♀さんと昼食をとった。目標設定委員会のメンバーは、青年会議所のIさん、伊丹環境ネットワークのS♀さん、元いたみ環境基本計画策定委員のYさん、環境審議会委員のYさん、それにY課長と私である。まず互選で会長に伊丹環境ネットワークのS♀さん、副会長に環境審議会委員のYさんが選ばれた。K市民部長による委嘱状交付の後、S♀さんの議事進行で早速エコアクション部門の独自目標の審議にはいった。エネルギーに関する目標についてはH16年実績ではガソリン、灯油、A重油などはすでに実行計画のH19の削減目標を達成しているが、軽油は市営バス路線の延長等の影響、都市ガスは本庁舎・病院の冷暖房の影響で、基準年次より逆に増加してしまっている。これについてアイドリングストップをもっと徹底できないかとか、現実に増えてしまっているのだからもっと現実的な目標を立てるべきだと言った意見が出たが、結局H17の実績の集計が出るのを待ってそれをみて決めることになった。本庁の廃棄物の削減目標については過去の実績値がわからないが、排出されたごみ袋数から推計してH13年値を出し、そこから2割削減することに決まった。
 
                 実行責任者の研修                                        目標設定委員会

 エコマネジメント部門の目標については事務局案は他自治体にならって年間の研修回数に関するものだったが、研修ではなく各職場でもっと取り組み状況がきちんとなされるように簡単な話し合いでいいから頻繁に持つべきだという意見がS♀さんやIさんから出て、「環境マネジメントシステムに関する確認を職場ごとに月2回以上実施する」という目標が決まった。エコガバナンス部門の目標は他自治体に習った環境情報の公開回数と、計画の進捗情報の公開が事務局案として出されたが、各職場でどんな取り組みがなされているかの情報を知りたいし、他の職場の参考にもなるとの意見がS♀さんから出て、「各職場における環境に関する取り組みの工夫を、市広報、HP等で年6回以上公表する」という目標が決まった。

 このようにエコマネジメント部門とエコガバナンス部門の目標は環境マネジメントシステムの実効性をあげるのにふさわしい、とても良い目標が設定された。会長のS♀さんは口調は穏やかだが、ひとつひとつの発言がすべて鋭いところをついていて、非常に聡明な方だと感じた。次回の開催日時を決めてから、14;45頃委員会は終了した。

 私は15時すぎに市役所を後にしてJR伊丹駅まで送ってもらった。非常に密度の濃い2日間だった。

2006年9月20日・21日

今日明日の2日間、LAS-Eの監査員研修である。JR伊丹駅に12:00着、タクシーで市役所に直行し、市役所の食堂で昼食を食べ、環境保全課にあがってY課長とH副主幹と若干の打ち合わせをした。その後、総合教育センター2階の講座室に移動、13:30より第1回目の研修会が始まった。研修には市民監査員のとともに、各職場の実行責任者の方にも参加していただいている。つまり監査する側と監査される側が一緒に監査について勉強していただくのである。最初に市民監査員の委嘱状交付式があり、私が代表して委嘱状をいただいた。伊丹市の市民監査員は全員公募で、何の声かけもしなかった人が半分を占める。第1回目は24名中15名が参加した。

続いて研修に入った。研修ではLAS-Eとは何か、LAS-Eの監査とは、伊丹市環境マネジメントシステムの監査の具体的内容についてお話した。具体的内容については、内子町のときと同じく、56の監査チェック項目についてひとつひとつ説明していったのだが、時間の制約上、エコガバナンス部門の説明は省略した。それでもここまでで1時間近くかかった。次に休憩を挟んで模擬監査を行った。先週の内子町では監査員のみ残って職場に出向いて実施したのだが、伊丹市の場合はこの会場で実施し、実行責任者の方で都合のつく方は残って聞いてもらう形式にしたところ、かなりの実行責任者の方が残って聞いてくださった。模擬監査の形式も中口が監査員役を演じ、実行責任者役にH副主幹、一般職員役にKU♀さんとKO♂さんがなった。質問に対する答えも事前に私がわざと判定が難しいような答えをあらかじめ考え、環境保全課とその内容を調整して決めておいたものである。それについて監査員の方に所見用紙に記入しつつ判定してもらった。監査員の方から活発な意見や質問があった。

模擬監査の模様(リンク)

研修が終わり、監査員のみ残って、主任監査員に私が立候補し、市民監査員に指示された。市役所3Fの環境保全課ブースで市民のSさん、Mさん、課長、副主幹と懇談。Mさんは先生がおっしゃるように良いところを見つける監査にしたい、最初はあまり厳しくせず、一段一段ステップアップすればいいとおっしゃっていた。またノーマイカーデーはルール通りやるべきだという市民意見について、別の市民が反論してくれて良かった、行政が言うと反発を招くから、模擬監査は良かったとおっしゃっていた。

その後、今日の宿泊先市役所から徒歩10分弱のところにあるスワンホールの宿泊施設にチェックインした。部屋は綺麗で設備も上々なのだが、タオル、歯ブラシ、寝間着がついてないので泊まるときは注意が必要である。スワンホールの4Fで課長、副主幹、主担当のF♀さんと19時過ぎまで打ち合わせして1日目が終わった。

2日目は朝食が8:30からなので、7:30から隣接する昆陽池(こやいけ)公園を散歩した。市街地の真ん中にありながら広大な公園である。朝早いのにたくさんの人が散歩していた。昆陽池にはカワウ、ハクチョウ、カルガモなどの野鳥がたくさんおり、とても憩える場所である。

朝食を取った後、9:30から2回目の監査員研修が行われた。今日の模擬監査では実行責任者役にH副主幹、一般職員役にKA♀さんとKO♂さんがなった。1回目同様、活発な意見が出て、予定の11:3015分ほど過ぎて終わった。その後スワンホールで昼食を取りながら課長、副主幹、主担当のF♀さんと打ち合わせをして、13:30過ぎに辞してJR伊丹駅まで送ってもらった。

スワンホールのームページ

 
                   スワンホール                                            昆陽池公園

2006年10月26日

 今日は13:30から2時間の予定で市役所7階の第7会議室で監査員会議が行われた。9月に行った監査員研修は2日間に分かれて受けてもらっているので、監査員が一堂に会するのは今日が始めてである。出席者は公募による市民監査員25名のうち、21名が出席した。5分前に会場に行ったところ、椅子と机の配置が教室形式だった。これでは監査員どうしの顔が見えないので、わがままを言って急遽ロの字型に直してもらった。Y環境保全課長の進行で、まずK市民部長が挨拶し、資料確認のあと、私が既に主任監査員に選任されているので、ここからは私が議事進行した。

 まずは、監査員の自己紹介をしていただいた。大学の元先生をはじめ、ISO140019001の実務経験のある方が約6名、アースいたみ等からなる伊丹環境ネットワークに属している方が8名、まちづくり基本条例のラウンドテーブルに関わっている方が2名ほどおり、現在の活動分野は水、ごみ、自然、建築などバラエティに富んでいた。自己紹介をしてもらいながら、次の議題である副主任監査員の選任で立候補者が出なかった場合に、誰を推薦しようか、思いをめぐらしていた。事前の根回しは全くしていない。副主任監査員は私が作る総合所見案の加筆修正や後日市長へ監査結果を正式に報告するなどの重要な役割を担う。ISOの実務経験を持つ方にお願いするにしても、どなたにするか甲乙つけがたいし、むしろまっさらな市民感覚でみられる方が適任という考え方もある。そんなことを考えているうちに自己紹介が終わり、副主任監査員の選任の時間になってしまった。立候補者は出なかった。そこで私は伊丹環境ネットワークのM♀さんと、目標設定委員会の副委員長であるY♂さんを推薦した。ふたりとも最初は固辞されたが、周りの拍手にも後押しされて最後は引き受けてくれた。

 続いて議題は監査手順についてである。資料に沿って監査の目的、監査員の遵守事項、監査の流れなどについて説明していった。その後質疑応答の時間を取ったが、監査員で判定が分かれた場合どのように調整するのか、監査員ごとにチェックシートをつけた後どのようにまとめていくのか、どの一般職員に質問してもいいのか、資料を見ても良いと言っても答えられない場合はどうするのか、まとめる時間は十分確保できるのか、監査場所へは各自現地集合するのか、監査員の名札は用意してくれるのかなど、多くの質問が次々と出された。予定時間はここまでで30分をメドにしていたが、既に1時間以上を経過していた。

 次の議題の監査チェックシート内容の確認はチェックシートと運用の手引きを照らし合わせて細かい内容を理解していただくことだったが、かなり簡略化した説明にならざるを得なかった。次の議題の前回の模擬監査の際の判定基準のおさらいに至っては、資料を読んでおいてくださいとしか言えなかった。その後、ファンコイルや紙の分別ボックスや監査当日の集合場所などについて事務局から説明があり、ひとまず時間通りに会議を終えた。その後7階のごみステーションを見学して流れ解散となった。

 解散後、何人かの監査員の方が環境保全課に集まって議論をしていた。伊丹環境ネットワークのS♀さんとY♂さんはさらに遅くまで残って担当のF♀さんと話をしていた。S♀さんの意見では、もう1回ぐらい市民で集まって勉強会をする必要があるのではないか、今日の説明だけではまだ分からない人がいるとのことだった。監査員研修の後に今日のような監査員会議を持ったのも伊丹市が始めてのことである。加えてもう一度勉強しようというのである。伊丹市民の意欲の大きさがうかがい知れたひとときだった。