2003年8月14日

8月12日から4泊5日で、家族旅行で和歌山に来ている。家族旅行は毎年、会員自治体の近辺にすることにしており、半日ぐらい家族と離れて役場に表敬訪問することにしている。今回は本宮町に行きたくて、南紀白浜に2泊した。3日目は本宮町の川湯温泉に泊まるが、家族はまだ白浜で遊んでいくので、一足先に本宮にはいることにする。路線バスは紀伊田辺まで出ないとないのだが、1日1本だけ、白浜空港から白浜市街を経由して本宮を通り、新宮へ抜ける「熊野古道特急バス」が明光バスから出ている。白浜バスターミナル10:30発であるが、雨で白浜の中心部は渋滞しており、かなり遅れてやってきた。バスは白浜駅に寄ったが、ここで自分以外の乗客はすべて降り、別のおじさんがひとりだけ乗ってきた。バスはしばらくして山間部にはいる。本宮町は人口約4千人、熊野本宮(本宮大社)があり、温泉もいくつもある。また熊野古道があちこちに残っており、参拝やハイキングの格好の場である。白浜駅で乗ってきたおじさんは熊野古道の散策が目的だったのだろう。途中で降りて自分ひとりになった。

このバスは国道311号線沿いに進み、川湯温泉には寄らないので、最寄りの渡瀬(わたらせ)温泉で下車しなければない。運転手さんに聞いたところ、トンネルを抜けるとそこが川湯温泉だという。そのとおり、7・8分歩いてトンネルを抜けると川湯温泉で、今日宿泊予定の大村屋にほどなく着いた。役場には本宮大社行きのバスに乗らなければならないが、13:15発でまだ45分以上ある。雨が降っているが、そのバスに途中で乗ることにして歩くことにした。

トンネルを戻って先ほどのバス停まで戻ると、温泉の自動販売機があった。眼前には典型的な山村の風景。たまに見る我々には美しい光景だが、地元の人はどうだろうか。しばらく国道を歩いて湯の峰温泉方面へ、右手の山道にはいっていく。雨が激しくなってきた。40分ほど歩いただろうか。谷あいの集落に着いた。ここに四村川(よむらがわ)小学校という小さな小学校がある。本宮町には4つの小学校があり、生徒数は1学年10数人程度であるようだ。そのそばに下湯川という待合所のあるバス停があるので、雨宿りをしながらバスを待った。

バスに乗って終点の本宮大社には10分ほどで着いた。役場で町長に15時に会う約束をしているが、まだ1時間以上あるので大社にお参りすることにした。観光客が結構来ているが、ほとんど観光バスかマイカーだ。階段をずいぶん上るとそこに社殿がある。それほど大きくないところが逆に歴史の古さを感じさせる。全国4千弱ある(我が家の近くにもある)熊野神社の総本山に今いるのである。熊野神社にお世話になっている人は是非訪れてもらいたいものだ。

参拝を終えて、役場に向かうと役場も立派な建物だった。泉町長はお盆にも関わらず出勤だったのでアポを取ることができた。午前中は成人式だったそうだ。八咫烏(ヤタガラス)の扇子をもらった。田辺市など6市町村で合併協議に入っているそうだ。本宮町は森林交付税構想を提唱し、全国に自治体のネットワークを作ったことでも有名である。その実現を見ないまま、本宮町自体がなくなるかもしれないのは少し残念な気がした。

町長と生活環境課のMさんと懇談後、Mさんが宿まで送ってくれるという。Mさんの車ですでに本宮大社についていた家族を途中で拾ってもらい、川湯温泉に戻った。家族旅行の時はいつもこのように親切にしてもらえて大変ありがたい。

川湯温泉は河原に温泉があることで有名で、宿でスコップを借りて、自分で穴を掘ってはいることもできる。温泉組合の露天風呂もある。今回いけなかったが、湯の峰温泉、渡瀬温泉も、お勧めのところだ。翌日はバスで熊野川沿いに新宮へ向かう。熊野川が悠々と流れている。天気が悪く熊野古道を歩けなかったのは残念だったが、いい旅だった。

本宮町役場
本宮町観光協会
周辺のみどころ
みくまのネット

和歌山県本宮町訪問記

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