京都府八幡市
2004年11月7日
今日は午前中、運営会議があった。運営会議は市民連絡会のメンバーに、今回の改訂作業で新たに加わった市民の方からなる。今後の進め方について決めていく役割を担っている。この運営会議で、12/12に予定していた中間報告会を1/16にずらすこと、中央大学が文科省からもらった現代的教育ニーズプログラムの予算を利用して、外部講師によるミニレクチャーを入れることなどが決まった。
午後からはまず僕がPRTR制度や日野市の化学物質の排出量についてのミニレクチャーを行い、その後、先週に続き、グループごとに、行政がすべきことの修正作業を行った。僕は明日から綾町に入る予定であり、その前に片付けな蹴ればならない仕事があったので、グループワークが始まって早々に辞した。

2004年11月21日
 今日から「市民がすべきこと」の作業に入る。今日はいつもの505会議室が取れず、職員休憩室とかいう和室で3部屋に分かれての作業となった。全体での報告会ができないのは痛いが、車座になっての議論というのも乙なものである。まず小学校を通じてその父兄に対して行った市民アンケートの結果について2手に分かれて報告した。僕は水・緑のグループに対して関連する集計結果について説明したが、日野市民の用水や農業に対する期待や愛着があらわれた結果であった。
 
ごみグループは、この市民アンケートの結果の分析を中心に議論していったようだ。びんは売っていないので、実施率が低いが、レジ袋・トレイ返却半分ぐらい実行できているというように、ごみ改革の成果が現れているところと制度上の不備でそうでないところがある。「かえってきたぞう」など、気が付くと環境に優しい商品を買っているときったことも明らかになった。今実行できていないところが4Rの目玉であり、これらについて市民ができることを次回考えたいそうだ

 くらしグループは、行政がすべきことの積み残しから入った。農薬散布は市としてはまず、農家とのコミュニケーションを取ることが大事とのことだ。また、ダイオキシン問題は市が状況を把握し、公開することが指摘された。騒音について許容できる範囲を周知し説明会を業者が開く案が出されたようだ。また離着陸訓練の中止要請に関しては、市民ができることないとのことだ。次に市民が行動することを考えたが、抽象論ではなく、具体的に考えるべきとの意見が出たそうだ。例えば、緑化でも生け垣にするとか、マンションのベランダを緑化するとかいったことだ。そのほか、市民ができることについては宿題がたくさん残ったとのことである。

 大気・地球環境グループは、中項目としてエネルギー政策と温暖化防止対策を分けるのかどうかの問題で、半分近い時間を費やした。この問題は最初の頃からずっと引きずっている問題で、なかなか決着がつかない。僕が少し口出しをして、まず大気・地球環境の同項目の書き出し文で、地球温暖化防止とエネルギー政策の関係について整理しておくことを提案した。これは通ったが、中項目として地球温暖化を残すかどうかは宿題となった。残りの時間で市民がすべきことの議論に移ったが、既に国が市民向けチェックシートを出しているのだからそれを移せばよいといった意見が出て、具体的な議論になかなか入れない。知識のある人どうしのやりとりが中心になって、中大生たちも議論に全く参加できなかった。具体的な提案としては、環境家計簿をつけるにしても毎月の電気の伝票を見てみるなど簡単なところからはじめるのがいいという意見が出たが、大半が宿題として残り、次回までに各自考えてくることになった。
みどりグループの発表は残念ながら聞けなかった。共通する視点として、互いの情報を共有することが大事ということだけ聞けた。
 
水グループは、現計画の市民が行動すべきことの文言の妥当性を個々に検討していったようである。その結果、市民の行動につながっている文章になっていないところをいくつかあったので、見直していこうということになった。また、河川・用水・地下水などの対象が違うところに、同じものが出てくることがわかったが、これはやむを得ないということになった。さらに、緑から移ってきたところの検討は後回しにし、暮らしから移ってきた上下水道は、くらしに差し戻したいとの意向だった。

 全体として、今回も市民が行動すべきことの議論が具体的に行えたグループと、その入り口の議論や前回の積み残しに大半を使ってしまったところに分かれたようだった。特に大気・地球環境は議論がなかなか進まないので、会議終了後、西田さん、市役所のMさん、Kさんと市民連絡会のKさんと、次回以降の対策を話し合った。





2004年12月12日

 今日は最初に岩手県立大学の高橋秀行先生の講演を行っていただいた。中央大学の田中廣滋先生もお見えになった。高橋秀行先生の話は、日野市の環境基本計画とメリット・ディメリットを見事に言い当てた内容の濃いもののであった。
 続いて環境情報センターに求める機能について話し合った。ごみグループでは、発生回避と抑制のための日野ルールづくり、ごみ市民会議の情報発信の機能を求める提言がなされた。
 水グループでは、地下水に関する調査結果を収集整理や市民・事業者・行政がデータを集めていくための推進組織づくりが大事とのことだった。
 みどりグループでは、みどりの意味・価値の発信や環境教育パネル、学校への環境教育プログラムの作成・提案、イベント・見学会の企画、ボランティア講習会の企画などの提案がなされた。また目標の評価を「環境時計」使ってやってはどうかという提案もなされた。
 大気グループでは、地球環境問題の啓発、とくに温暖化に関する基礎的情報と日野の計画・取り組みについて発信すべきだと言うこと。それからLAS-Eの運営、つまり市民監査の事務局、監査チームの運営・チェックリストづくりをセンターが担い、長期的には企業の環境報告書の評価もでが蹴るべきとの意見が出た。その一方で、大気環境調査はデータの精度面からみて慎重であるべきで専門家の関わりが不可欠との提言もなされた。
 くらしグループでは、農業者と市民が話し合う場、つまりどこで何を作っていつ提供できるかという情報を発信すべきという指摘や、歴史・文化に関する情報も扱うべきと言った意見、自治会を通して地区単位の情報整理や地区単位での環境学習リーダーを養成すべきとの意見が出た。また開発計画の情報を一元的に環境情報センターで提供したり、環境に良い商品を扱っている商店情報を発信することも提案された。日野版環境マップ(定点撮影)の継続も提案された。
2005年1月16日

 今日はまず、連続講座の第2回目として、ごみ・環境ビジョン21の服部美佐子さんに講演をお願いした。服部さんには、容器包装リサイクル法に関することを中心に、国や市民団体の循環型社会づくりに向けた動きについてお話し頂いた。まず前段の話では、ごみ総排出量は変わっていないのに、ごみ処理費用は高くなっている、リサイクル費用やごみ処理施設に多額の税金が使われている、普通のごみは収集・保管費用が50円ぐらいなのに、容器包装は400円かかるなどの話をされた。また循環型社会形成基本法には、3Rのことが基本法に描かれているにも関わらず、リサイクルの部分の個別法整備が進んでいることの矛盾を指摘された。容リ法に対する評価としては、最終処分場延命の効果、容器の軽量化の効果はあったが、費用負担が不公平であることなどを話された。そこで市民で考えている法改正のポイントは、事業者が収集義務率の範囲で収集から再商品化まで負担(事業者&消費者の受益者負担)し、環境負荷を少なくすることを最優先にすること、リターナブル容器の特定と利用率を設定し、これ以上リターナブル容器を減らさないようにすること等を提案された。
 服部さんのお話の後、分科会に分かれての作業に入った。今日の作業はこれまでの議論を我々事務局サイドで整理した内容(体系・項目や対策)に関して再検討するという内容であった。また運営会議で、計画の文章は市民が分担して執筆することに決まったので、その執筆分担も決めてもらうというものだった。
例によってグループ作業が15分ぐらい伸びて、16時から各グループの発表が始まった。内容は以下のようなものである。
生活環境グループ
 名称を「くらし」に戻し、他の分科会を包含する位置づけを変えないことを確認。中項目では「汚染の心配のないまち」は消し、安心して健康に暮らせる環境に含め、6項目とする。小項目は近隣公害と、健康に暮らせるまちの2つとする。住環境のごみ・省エネを小項目へ。ダイオキシン発生対策は大気、ごみゼロ分科会へ。
これに対し、大気分科会から省エネは大気で取り上げており、完全にオーバーラップするとの意見が出て、今後調整することになった。
みどりグループ
 行きつ戻りつがあったが、現計画の体系を踏襲することになった。防災については、少し言及されている程度だったが、きちんと謳う。緑の機能を前文で深くつっこんだ書き方をする。
水グループ
 現計画を基本的に踏襲する。目標を回廊づくりという言葉がわかりにくいので日野らしさを生かしたまちづくりとする。
大気グループ
 現体系から大幅に変わったように見えるが、基本的には違いはない。「汚染など心配のないまちづくり」から「大気環境の保全」へ。「循環型のまちづくり」は「地球温暖化対策と省エネ・新エネ対策」へ。小項目ではヒートアイランド対策、エネルギービジョン、省エネ、クリーンエネルギーなどを新設した。
ごみゼログループ
 中項目の見直しを行った。4Rを盛り込みたい。小項目だったものを中項目に押し上げる。生産流通システム→生産者の責任、処理→脱焼却・脱埋め立てなどと名称変更する。
 発表の後、次回から始まる指標選定・数値目標検討作業のために、「環境状態」「市が行動すること」「市民が行動すること」「事業者が行動すること」について、それぞれ指標候補を僕が整理したペーパーに基づき、どれが指標としてふさわしいか○をつける作業の説明をした。これはA3サイズ16枚にもなる膨大なものになってしまったので、午前中の運営会議で「環境状態」だけを今日○をつけて回収し、他の部分は宿題とすることに決まっていた。しかし途方もない量の指標項目から選ぶのは容易ではなく、どのように作業したら良いのか何人からか質問が出た。Nさんからはここにあげられている指標項目が必ずしも適切でないといった注文も頂いた。市民が指標を選ぶという、どこでもやったことのない作業を次回から2回かけてやっていく。

2005年1月29日
 今日は午前中、Nさんからの呼びかけで市民連絡会の会合に出席した。同席したK部長は、5年前に市民が作ったものをそのまま受け入れるというスタイルで作ったもの現計画はそのままのものとし、それにその実現に向けて何を追加すべきかが今回の見直しの主旨であり、全体を見直すようなことはこの予算内ではもともとできないし、考えていなかったのだが、ちょっと大がかりになりすぎている、と言われた。このことを我々サポート側、担当職員はこのことをもっと早く共有しておくべきだった。新しく計画づくりに加わった人も含め、すでに執筆分担まで決めてしまっている。現計画はそのままに、20ページで1000部の成果物を納品しなければならない。どう折り合いをつけたらいいのか、僕もわからなくなった。その間に議論は今やっている作業は現計画を逸脱しているのか否かの話になった。大気を地球環境と呼び変えるのはいいのか、指標選定作業はいいのか、といったことである。今やっていることは逸脱していないという意見が大半だったが、成果物をどうまとめるのか、については結論は出なかった。
 午後は例によって連続講演会で、大気汚染の話を聞いた。これから行う指標選定の作業と関連づけ、日野の状況についても紹介してくれた。
 休憩の後、その指標の選定のグループワークを始めた。指標の意味やどうやって指標化するのか、確認しながらやっていくので、時間がかかる。政策そのものの是非について議論が白熱してしまった班もあった。またその指標が高ければ良いのか低ければ良いのかを考えつつ選んでいる班もあった。また新たな指標を考えている班もあった。
 ごみゼログループでは、中項目ごとに、継続的に捉えられる指標。生産・流通については働きかけに留まっているので、うまくチェックできる指標がなかった。消費・流通はレジ袋周りを指標とする。市民側からはマイバッグ持参率。店側からはレジ袋消費数を盛り込めないか。家庭系は1人あたり排出量(資源含む)。事業系は持ち込み量。ごみ処理では資源化率ではなく焼却量・埋立量を減らしていくことを指標として重要視したい。リサイクルは小さなリサイクルを対象。今のところ、お店に返す量を把握したらどうかという意見も出た。
 みどりグループでは、緑被率は数値目標を設定する。生け垣への助成件数。生産緑地面積・経営耕地面積。公園・緑地の用地買収面積、1人あたり公園面積、歩いていける公園面積、市民の利用箇所数、延べ人数、農業を継続する箇所数などがあげられた。
くらしグループでは、指標候補の絞り込みを挙手で決めていた。5票以上とった項目が多く、次回絞り込むとのことだった。バスタクシーの移動行動率、買い物環境では話合いの場を作った回数、歴史的遺産では調査公開した数などがあげられた。また、家の近くの清掃・緑化活動に参加している回数、ごみ分別の徹底行動率、省エネ住宅、環境配慮製品行動率、リサイクル品を選ぶ行動率などがあげられた。
 地球環境グループでは総合的な指標として、空気のきれいさ満足度指標(富士山と都庁を定点観測)などがあげられた。エネルギー指標は家庭・業務に分けていくことが提案され、また、グリーン電力購入量などもあげられた。さらに小規模事業所のVOC、ダイオキシンなどもあげられた。市民の大気環境調査の結果は環境学習用として使うとのことだった。さらに市の行動として、ISOや省エネ行動があげられた。市民の行動指標としては、太陽光発電設置件数や環境家計簿(個人ISO)、経済運転率、事業所の行動指標としては、新エネルギー導入率や低公害車導入割合などがあげられた。
 水グループでは、水循環に関して市民の行動指標として雨水浸透施設設置率、市の行動として指導件数・助成額があげられた。生態系の保全については、自然の河川敷の満足度、清掃への参加、植生調査(在来種の調査)などが、水質の保全については、水路・浅川のきれいさ満足度、下水道切り替え数、指導件数、用水のBODなどなどがあげられた。水使用に関しては、節水行動率、中水道・天水槽普及率などがあげられた。
 環境基本計画のための指標を選ぶという作業を市民で本格的に行ったのは、おそらく今回が初めてだろう。市民にはとまどいもみられたようだった。数値がわかっているものについて、指標リストで一通り揃えたつもりだったが、グループによっては、あまり役に立たなかったようだ。

2005年2月5日
 先週から1週間という短い間隔での市民会議だったが、この1週間の間に計画の落としどころについて電子メールや電話で頻繁に意見交換が行われた。僕が計画の落としどころについて、中項目レベルは現計画に戻すことを柱にした提案を、市と市民連絡会に投げかけた。市民連絡会の皆さんからは、おおむね賛成の意見が返ってきていた。しかし木曜日の午後に市内部で議論した結果を待つことになった。その結果がSさんからメールで来た。市としては今進んでいる文書作成作業については現計画とは別途ワーキングレポートとしてまとめ、環境自治体会議との契約上作ることになっている20ページ1000部の成果物については、今後検討する重点項目をまとめるということだった。これらの点について、金曜日にK部長に電話して確認した。K部長は、今やっている作業ではまだ市民の思いを実現するために市民が何をどのような手段で実現したいのかがまだ見えてこない、市としては市民が行政を使って思いを実現するとことを目指しているのだ、そのためには6月や7月までかかっても構わない、と熱っぽく話した。では3月までに一区切りつけるか4月以降までかけるか、は市民の選択に任せましょうと言うことになった。もし環境自治体会議のサポートなしでも4月以降まで作業をやるという判断がなされたら、指標・数値目標や推進体制のみで20ページ1000部の成果物をまとめましょうということで合意を得ていた。
この方針で今日の午前中の運営会議に臨んだところ、運営委員の皆さんは3月までに我々との共同作業でがんばって乗り切っていきたい、という意見が多く、その方向で行くことになった。
 午後からは例によってまず、連続講演会で、湖の生態系についての話を聞いた。続いてのワークでは、指標選定の続きを行った。
ごみゼログループは、ちょうどマイバック運動とぶつかってしまったので、昨日の夜集まって話し合っていた。重点ポイントと指標案の整理たところ、生産・流通については事業者と顔つきあわせる場が必要とのことだった。消費・分別についてはマイバッグ持参率(年1〜2回)、ごみ・資源排出原単位が数値目標の候補として挙がった。ごみ処理(脱焼却)については、焼却量、埋立量があげられた。資源再生リサイクルについては小さな循環として店頭回収量があげられた。
 くらしグループでは、重点的にやるものを決めるためのウォーミングアップにあてた。その結果、ワーキングレポートの形がほぼ固まったとのことだった。
 地球環境グループは、CO2排出量はCO2の現状と将来予測や対策可能性の定量的検討結果について僕が示して議論した。高位シナリオでは6%削減が可能となるような推計だった。これが数値目標の候補の一つになったが、目標値を決めるまでには至らなかった。あと、車のアイドリング率、事業所別VOC削減量、新エネルギー普及率などがあげられた。
 みどりグループでは、みどりの基本計画に掲げられた緑被率33%とともに、樹木の被覆率などがあげられた。
水グループでは、子供や市民が遊べる水辺は宿題となり、用水の保全については、用水延長を死守(現状を把握)、用水守の人員・延長を増やす、水田信託特区、浸透面積などの数値目標化が提案された。

2005年2月19日

午前中の運営会議では成果物の構成について話し合った。5分科会ごとに5年間の推移や重点実施項目、指標・数値目標について3ページで記述することになった。最後の2ページは推進点検体制について記述することになった。今後の日程としては、印刷物のフォーマットをあさって決定し、各分科会で作文開始と決まった。
3/13のパネルディスカッションは動かせないので、報告会をどのような形で行うのか行えるのか議論になった。結局推進体制・点検方法の参考事例をお願いする。この日より前に成果物の作文を完成させ、それについて報告する。3/20か21に集まって推進体制・点検方法について検討し、4/10に印刷用完全原稿を完成させることになった。
午後からの市民会議は神奈川県の情報センターの事例を鏑木さんに話してもらってから、重点項目や数値目標を中心として討議した。
くらしグループは、重点項目として通過交通、商店街:個性的な町づくり(日野市の提案)、歴史文化を大切にするまちづくり、放置自転車のないまちをめざす、空き地の管理をあげることにしたそうだ。
 みどりグループは、総合指標として38.27%(2002年)から緑被率39%(2012年)にすることになった。この数値をどこにおくかで議論され、現状数値もかなり困難で、40%を確保しようとすると新たに40ha確保しなければならない。39%でも20haぐらい必要。実現するためにどうしたらいいか、今まで話し合ったことに戻ってしまったそうだ。農業は経営耕地面積を維持これも意識の問題、農業者間のネットワークができたところで市民・行政が関わっていくことなどが話し合われた。
ごみゼログループは、生産・流通の取り組みについては目標・指標なしにし、協議の場を作ることを目標にするそうだ。消費・分別では、マイバッグ持参率、レジ袋・トレイ・エコストア制度の確立があげられた。ごみ処理では、プラ容器の分別の拡大そのものを重点項目とするのではなく、お店に返すのを重点項目にする。資源ごみを含めると多摩地域で4位。資源を含めた原単位を多摩地域トップにすることがあげられた。リサイクルの指標はスーパーで把握できている店頭回収量の倍増を目標とすることがあげられた。
地球環境グループは、重点項目でヒートアイランドでも立てられないかという議論が出た。またCO2排出量の数値目標を議論した。世帯あたりというのも出たが、これは問題があるので暫定的な努力目標として6%減を掲げる。これをどう実現するか、グリーンエネルギー導入を含めて3者で協働して取り組む組織を作っていく。車利用の指標は数値が得られにくいが、エコカーの導入台数などを日野市のみで集計できるか研究することになった。またクリーンエネルギー導入量は能力ベースで数量を把握していくことになった。さらにVOCの規制については数値目標が難しいので、まず市・大企業の行動としてグリーン調達を入れて、中小企業に普及させていき、業界と話し合う仕組みを検討するという話になった。
水のグループは用水の維持保全の話だけで終わってしまった。指標・目標8項目のうちで浸透マス助成を削除したが、その理由としては助成額が減っているのと爆発的に増えているわけではないこと、新築のものにはほとんど浸透マスをつけていることがあげられた。用水についてはまず用水延長を把握する。行政ヒアリングで現況が130kmぐらいになっているのではないかということが言われた。まず市民で用水マップを作成し、現況を調査する。市の行動としては用水守を年間3団体増やす。一方浸透面積を増やすことについてはどうやってカウントしていくか、毎年はカウントできないので土地利用現況図からカウントすることを検討することになった。

2005年3月6日
今日はLAS−Eについて、うちの多比良の講演のあと、点検・推進体制の全体討議をした。計画の点検を市民監査方式でやっていくことについてはおおむね肯定的な意見が多かったが、LAS−Eを導入することについては、企業のISO担当者の方から、ISOとの違いがわからない、ISOでも同様にことはできるはずといった意見が出てまとまらなかった。ISOとLAS−Eの比較論をすると、必ず出る議論である。LAS−Eでは、例えば本庁舎だけでなくすべての施設を含まなければならないとか、市民が目標設定や監査を行うとか、実施すべき共通項目が与えられているといった点で違いは明確なのだが、企業の人はISOで「〜することもできる」こととLAS−Eで「〜せねばならない」ことの違いが同じに見えるらしい。文書類に関してもISOでも減らすことはできるし、政策まで対象にしなければならないのは、1996年版からそうであったとの主張である。規格上はそのとおりなのだが、現実にはそうなっていないのが実情である。いずれにしろLAS−Eについて1時間弱聞いただけで理解しろと言うのは無理な話だったかもしれない。今日のところでは、点検には市民監査方式を取り入れるというのが精一杯と感じた。
この後、各グループが3ページもの重点項目・数値目標案の報告を全体の場でした。ほとんどのグループは、この2週間の間に臨時の会議を開いており、かなり整理されてきている。グループ間の整合を図るため、話を聞きながら疑問点などを付箋に書いてもらった。
4時近くになってからグループワークにはいった。午前の運営会議の場では来週の発表会やシンポジウムの内容、26日の追加会合の開催などが決まった。

2005年3月13日

今日は午前中、市民連絡会に途中から参加した。市民連絡会は仮称環境ひの会議に移行していく方針が出た。
午後からは発表会で、1グループ10分で、3ページものの重点項目や指標・数値目標等を書いた内容に沿って発表していった。コンサルではなく、市民の皆さんが代わる代わる発表しているのをみると、市民主体で計画を見直ししたという実感が沸いてくる。指標・数値目標を市民が選択して決めたのは、長く指標づくりに関わってきたが、初めてのことである。市民の皆さんから「指標」「数値目標」という言葉が頻繁に聞かれるのは感慨深いものがある。

環境省環境計画課佐野課長:
 国が自治体の政策に口を出す時代は終わった。国・地域の責任でやることをはっきりさせてそれぞれやっていく時代。
とよなか市民環境会議アジェンダ21井上事務局長:
 豊中でも環境基本計画とアジェンダ21の見直しを進めているところ。環境基本計画は市役所がやることを書いた行政計画、アジェンダは協働してやっていく市民計画。しかし共通する理念・のぞましい環境像を持っている。とよなか市民環境会議が計画を作る前に出来たので、計画を作りながら行動するアクションアプローチを取った。点検は環境報告書で、6つの数値目標とモニター指標をウォッチしているが、行政がやっていることなどが紹介された。
かわごえ環境ネット小瀬理事長:
 環境基本計画の推進組織としてかわごえ環境ネットが設立されたもの。環境基本計画の中には最初から数値目標・指標が設定され、進捗状況について年次報告書でまとめ、その中で市民・事業者がその取組みについて執筆している。かわごえ環境フォーラムで市民などの環境活動状況を報告していることなどが紹介された。
中央大学経済学部田中教授:
 八王子市では、指標や環境診断をするしくみが先に出来て、環境基本計画を作ったこと、「ちぇっくどぅ」という環境指標とこの指標を使った環境診断士講座、インプットとアウトプットの因果関係や縦横の関係を考えながら指標を作った。開発するところを大学がして、現場に出てマニュアルを作るのが大学の役割であると認識していることなどが紹介された。
法政大学社会学部田中充教授:
 第1期の環境基本計画策定の効果として、市民との徹底的な協働による市民参加で作るノウハウが行政側に蓄積されたのが財産。環境基本計画で求められることとして、環境像・ビジョンの共有、これを実現する対策・行動の体系・優先順位を明らかにすることとともに、推進体制・進行管理のしくみを明らかにすることが大事。第2期の計画では充実・強化が図られている。市民には特にチェックの役割が今後求められることなどを話された。
 フリー討論では、環境が他部局を政策面でリードできているかどうかが議論になった。日野市や豊中市でも制度的には担保できているが、実態としてはなかなかそうはいっていないので、外郭団体どうしがつながっていこうとしていることなどが報告された。また、人材の確保・育成について議論が出た。



2005年3月21日

 今日は拡大運営会議で、市民連絡会のKさんの司会で、20ページのパンフレットの内容や、推進体制について話し合った。まず20ページのパンフレット最初の2ページの構成について議論が白熱し、1時間近くかかってしまった。次に推進体制では、僕の提案したメモに市民連絡会のNさんが赤を入れたものに基づき話し合った。 
 LAS-Eは導入を検討するという表現にとどめたが、公共事業実施にあたっての環境配慮計画書の作成が加えられた。これについても市民側からは民間事業も対象とすべきとの意見もあったが、市側から公共事業だけでも一歩前進であるとの意見が出て、これだけに落ち着いた。推進組織については仮称環境ひの会議にするかどうかで意見が割れ、名前はもっと先になってから議論することになった。また各種団体を覆うアンブレラ方式での図示には異論も出た。
 3月26日に最後の市民会議が行われたが、僕は士幌出張のため欠席した。







2005年4月23日
今日は、「日野市環境基本計画―重点対策の推進体制(案)」と「ワーキングレポート」について審議会の意見やその後の分科会での検討を踏まえた変更点を共有した。また仮称日野市環境市民会議の発足のスケジュールについて検討した。
審議会に諮ったところ計画見直し案のパブリックコメントが必要ということになり、議会での議決は9月議会となった。パブリックコメントは5月末までとし、6月20日に各分科会で回答案を作成したものを集約し、当初、見直し完成シンポジウムの予定だった7月2日をパブリックコメントに対する回答を発表する日にすることになった。
仮称日野市環境市民会議については、準備会を結成し、10月に発足できるように組織の骨格を検討していくことになった。委員は見直しに関わった全ての人が参加できるものであり、広報でそれ以外の人も募集することになった。
見直しで終わってしまうのでなく、連続して活動していこうというメンバーの意志を感じた会合だった。