京都府八幡市

2004年7月3日

今日は、10時から環境基本計画見直しワーキングチーム発足式で、中央公民館に行った。日野市の環境基本計画は市民約100人が500時間以上の会議を重ねて白紙の状態から作り上げたことで全国的にも有名である。早いものでそれからもう5年立った。当時参加していた人たちは市民連絡会を結成して環境基本計画の普及に努めてきたが、当時のことを思い出すと涙が出てくるとおっしゃっていた。

馬場市長の挨拶や環境共生部長のKさん、市民連絡会代表のNさんの説明の後、5つのグループに分かれ、自己紹介を兼ねて「ふだん行っている環境配慮」「なかなか実行できないこと」をポストイットに書いて、模造紙にまとめていく作業をした。参加者は当初の予想を超えた約65名。中央大学の学生が20人近く参加してとてもフレッシュだ。最後の発表でも中央大学生が報告、その言動が初々しくて時々場内が爆笑、なごやかな雰囲気だった。

今回の改訂作業では環境自治体会議が改訂作業をサポートすることになった。今日は我々はグループのファシリテータ役を仰せつかった。意識の高く実際に長く活動を続けておられる市民の方々が多いだけに、さまざまな意見が出ることが予想され、市民も職員も大変だと思う。今後我々が下支えしていければと思っている。

日野市役所ホームページ http://www.city.hino.tokyo.jp/info/

20047月25日

今日は、市内の環境の現状をみようということで、市内ウオッチングに参加した。市内ウオッチングは17日にも「くらしとリサイクル」に着目してクリーンセンターや百草・倉沢地区の里山散策を行っているが、今日は「水と緑」に着目して、午後いっぱいかけて東光寺地区と川辺堀之内地区を市のワゴン車4台に分乗して巡る。

まず、配布された資料をみて驚いた。見学するポイント23カ所が6ページにわたり、写真とコメントつきで要領よくまとめられている。担当者のひとり環境保全課のSさんの手によるものである。市内を知り尽くしていないとこのようなものは作れない。Sさんの能力の高さを感じた。

僕は担当者のひとり環境保全課のKさんに分乗。Kさんは女性なのに大きなワゴン車をすいすい運転する。僕は自宅の軽自動車も2年以上運転していないので驚いた。きっと車で現場に出ることも多いのだろう。

まず市役所裏の神明地区にあるエコロジーハウス「きなりの家」を見学。きなりの家は入居者どうしが設計段階から相談して建築されたコーポラティブハウスのひとつである。東京農工大のS先生が住んであり、S先生の案内で先生の自宅も含め案内してもらった。シックハウス対策の壁、外断熱工法、屋上緑化、ビオトープ、太陽熱温水器などさまざまな環境配慮がなされている。S先生は以前川越に住んでおられ、「かわごえの環境をよくする会」で大変お世話になった10年来の知人である。僕を見つけて「あれれ、今日は何でいるの?」と声をかけてくれた。環境自治体会議が環境基本計画改訂のお手伝いをしている旨お伝えした。S先生には環境自治体会議が事務局を努める日野地域エネルギー協議会でもお世話になっている。
 早々に辞して梵天山西市民農園、住宅地に残る緑や開発されつつある斜面緑地を見ていく。これらの斜面緑地は住居専用地域になっており、緑地保全地区などの網がかかっていないため開発に歯止めがかからないようだ。
 新町の半分暗渠になった水路をみてから、今回の目玉の一つである栄町親水路と、よそう森堀公園を見る。栄町親水路は日野用水の水路と公園の東屋・水車などがマッチしている。よそう森堀は昔ながらの水路で、コンクリート水路にする話があったが、市民と行政が何とか残そうと自分たちで維持管理をした結果残ったものである。隣接する水田は農家の協力で小学生や市民が米づくりを行っているそうだ。
 東光寺のうっそうとした斜面緑地を徒歩で登り、東光寺上の区画整理地へ。ここはファーマーズセンターの構想があるが具体化しておらず、区画整理地の中が相続の関係で売地が出始めており、せっかくのまとまった農地が虫食いにならないか心配である。
 車に乗って昭和30年代に立てられた豊田駅近くの多摩平団地へ。建替え作業が進んでおり、4階建てと2階建ての建物が613階建ての中高層住宅に変わりつつある。自治会・公団・市が勉強会を開いて相談しながらまちづくりを進めているそうだ。多摩平の商店街は豊田駅前と隣接しているが、ご他聞に漏れずいまひとつ活気がない。
 富士電機の一部敷地(用途地域は工業地域)に大規模マンションが建てられつつある現場を通り、1か月前まで緑地だったという斜面を見て、浅川の沖積地へ降りた。ここは西平山地区と言って、市施行の区画整理事業がはっているが進んでいないため、農地がかなり残っている。平山橋を渡って、平山用水の取水口へ。このとき浅川の土手の道路の路肩に車輪を落としている対向車を発見。ワゴン車に乗っていた大勢で車を引き上げるのを手伝った。豊田のたんぼや豊田用水をみて市役所に戻った。 
 市役所では5階の会議室に戻り今日の見学の感想を参加した市民の皆さんに聞いて解散した。

その後、市民連絡会のメンバーの人に残って頂いて今後の進め方について相談した。僕のほうから「今は市民連絡会と、市とコンサルが別々に打合せをしているが、今後一緒にやったらどうか。そのほうが市民の意向を踏まえて今後のスケジュールや内容を決めていける」と提案した。そういう方向でやっていきましょうということになった。




2004年8月20日

今日は2回目の行政ヒアリングの日である。行政ヒアリングとは、5年間の行政施策の進捗状況を主要な課から市民も同席して聞こうというものである。8月8日に3回目の市民会議が開かれたが、そのときにヒアリングのスケジュールを示し、市民の同席者を募った。僕は欠席したが、17日にはごみゼロ推進課、クリーンセンター施設課、都市計画課、道路課、産業振興課のヒアリングが行われていた。今日は本家本元の環境保全課のヒアリングである。8人の市民の皆さんが出席した。膨大な資料の施策進捗状況シートは白書(計画進行管理)担当のHさんの力作である。

17日は環境保全課から各課へ質問し、そのあと市民と自由意見交換する形式で行われたが、今日は環境保全課が自問自答するわけにいかないので、僕が代表して質問することになった。環境保全課の取組みの概要についてN課長がお話しされたあと、施策進捗状況シートにおいて平成11年度から15年度まで未実施となっている市の行動(行政施策のことを日野市では市の行動と言っている)について僕が「○○が未実施となっているようですが、その理由をお聞かせ頂けますか」と問い、それに対し白書作成担当のHさんを中心に1通り答えていただいた。そのあとM課長補佐の進行で、今の答えに対する再質問や意見を市民の皆さんから出して頂いた。
「環境保全課は所管ではないと言うが、情報提供をするのは環境保全課の役割ではないか」
「未実施になっているけれど、情報収集までできているのなら未実施というと市民が誤解するのでは」
「策定当時市民の思いで立てた施策が、5年間やってみると現状で無理なことや課題が見えてきた」
「そもそもの施策の表現が合わなかったから今回の改訂で変えるべきだろう」などの意見が出た。
 よくある市民と行政のやりとり、つまり市民からあれをやってくれ、これをやってくれと言うレベルとは全く違う。行政の施策の中身や限界を良く理解した上で、むしろ行政と一緒になって、より良い方向に進めるにはどうしたらいいかといった建設的な意見が多かった。はぐらかさず、それにきちんと答える日野市の職員もすばらしい。今回のヒアリングは市民か毎年政策監査をしていくLAS-Eの第2ステージが実行可能かを実験する場でもあったのだが、全く心配ないと思った。互いに緊張感を保ちつつ、協働の精神を持っている日野市の市民と職員は、成熟した関係にあると言えるだろう。
 最後に現環境基本計画策定時に担当だった環境共生部長のKさんが、「10年前だったらこんなふうに市民と行政がやりとりする場を設けるには、いろんな庁内手続きを踏んでようやく実現するかどうかだった。それが今、若い職員が市民と一緒にあたりまえのように話をしているのに感動した」とおっしゃった。あたりまえのようにこのような会合が持てるのは現環境基本計画策定時に平の職員だったKさんの血のにじむような努力があったからこそではないか。そのことをおくびにも出さず、若い職員を思いやるKさんはやはりすばらしい人である。

ヒアリング終了後、市民連絡会との今後の進め方についての打合せを行った。
「前回策定時はグループを最初に分けて別々に議論したが、あとですりあわせに苦労した」
「毎回各グループで話し合ったことを全体で共有することが大事」
「いつ何をテーマにやるのかを決めておいたほうが、参加するほうが日程調整しやすい」
などの市民連絡会の皆さんからの意見を受け、僕と西田さんで黒板に毎回のテーマとタイムテーブルをおおまかに書き込んでいった。これを28日の市民会議で今後の進め方として参加者のみなさんに提案するということが決まった。


2004年8月28日

今日は4回目の会合だったが、難しいワークショップであった。
 5つのグループに環境自治体会議のスタッフが1人ずつファシリテータとしてつき、今日から市の関係課の職員が2・3人入って議論を進めていった。僕はフリーで各班の議論の様子を見て回った。 
 当方で今日用意したシートは、前回までに出た意見をまとめたものの右の欄に「対策の方向」「対策の内容」などの空欄を設け、そこを埋めていってもらう作業を想定したシートだった。しかし作業に入ってみると、シートを埋める作業にはならなかった。結局出た意見をポストイットに書いて模造紙に貼っていく作業になった。 
 用意したシートは現計画とのつながりがなく、前回までの自由意見を集約したものだった。ここに書かれたものは現計画に載っているものが多くあった。ある班では、「ゼロベースから議論をはじめるのか。この調子でやっていたら、いつになったらできるのかわからない。」という意見もあった。
 しかし一方で、5年前の策定時には関わっていなかった人たち(半分以上いる)にとっては、いい議論や学習の機会であり、自分の考えををもっと発言したいことは理解できる。しかし5年前に自分たちの手で作った市民連絡会の人たちに取ってみれば、5年前と同じ議論を繰り返している、と感じるのも当然である。
 ワークショップ終了後の市民連絡会の反省会で、今日の状況を踏まえ、どうしていくか活発に意見を出し合った。「新しく入ってきた人が疎外感がないような配慮しよう」よいうことになり、あと1・2回はこの形式でやることになった。・・・・・さすが市民連絡会の皆さんである。

2004年9月12日

 今日は5回目のワークショップだったが、その前の午前中に市民連絡会の会合があり、その場に行政と我々も参加させていただいて、今後の進め方について話し合った。僕のほうから、今後の進め方についての私案を出させてもらい、おおむねその方向でいくことになった。また、知識量の差を埋める方策として、全体会とは別に勉強会を設けること、一般市民アンケートの内容について10/2の運営会議に提案することも決まった(その後、10/2を待たずに市民連絡会の方々とメールでやりとりし、アンケートについて相談することになった)。

 午後からはまず、前回のおさらいをした後、ゴミゼロプランの説明や事業者の方に取り組みの説明をしてもらった。その後この前の5つのグループにわかれてワークショップをした。自然1、自然2の班は水の続きと緑について、生活1、生活2、生活3の各班はエネルギーとごみについて意見を出し合った。
 緑の班では緑地が相続などで無くなっているのを公有地化することで食い止めるのに限界があることなどが意見として出ていたようだった。生活の1、生活2ではごみの処理方法をめぐって激論が展開された。徹底した分別を求める人と、プラスチックを燃やすほうがいいという意見、焼却灰をエコセメント化したほうが良いという人との間で論争になったようだった。
 最後の発表では、自然1班は初めての参加だった学生が発表するのを渋り、K部長とN課長が登場。まるで市民のように涼しい顔をして発表してしまうところがすごい。
 終わった後、市民連絡会の人たちとまた反省会を持った。

 後日、担当のSさん一部の市民連絡会メンバーと市民の方の軋轢を心配しており、また議論がまとまらないのでもう少し議論をリードしたほうがよいかどうか、迷っている旨のメールが来た。たしかに5回目になっても、まだ話がかみ合わなかったり、まとまらなかったりで、担当とすれば胃が痛くなる思いだろう。3連休を返上して出勤し、進め方についての相談のメールを送信してきたSさんの頑張りが叶う方向に、もう少しの辛抱できっと進んでいくと信じている。

スケジュール私案

2004年9月25日

 残念なことがあった。僕は顔をよく覚えていないのだが、市民連絡会のメンバーだった、K♂さんが、癌でお亡くなりになり、その告別式があった。市民連絡会の代表であるNさんの知恵袋的存在だったそうだ。そのNさんが海外に出ている最中の出来事だった。
 そのため、市民連絡会のメンバーや何人かの市職員の方は、前半の都市マスタープラン・まちづくり条例、農業振興計画の説明に間に合わず、後半のワークショップからの参加となった。
 後半のワークショップは、すべての班が環境学習について話し合った(自然の班は前回の積み残しを含む)。今まで出ている意見は膨大なもので、それをひとつひとつ吟味して対策の方向を出していったのではいくら時間があっても足りない。そこで学習・教育、役割分担、環境情報、情報センターの4つの項目ごとに課題と方策を模造紙に整理していった。学校教育に議論が集中した班、情報センターの議論が深まった班、そもそも環境学習・教育とは何かの整理からはいった班などさまざまだったが、情報の共有・提供とその場・機会づくりが重要なことではどの班も一致しているようだった。
 ワークショップの後、次回以降、自由討論形式から評価カルテに基づく現計画の対策の追加・修正作業にはいるために、自然・生活の2グループを細分化することを事務局から提案し、どのようにグループ分けするかを自然・生活それぞれで話し合った。自然のほうは水と緑に分かれることがわりとすんなり決まった。生活のほうは、発生源と環境影響をマトリックスで整理したうえでグルーピングを考えるべきという意見が出たが、くらし・大気(地球環境)・ごみゼロの従来のグループで当座作業しながら考えていくこととなった。
 このグループからナビゲータ(運営委員)が出て、市民連絡会メンバー+運営委員で会議の進め方などを検討していくことになる。今回の改訂作業から新たに加わった市民が運営に関わってこそ、本当の意味での市民主体の会議運営が可能になってくるだろう。その方向に進んでいくことになるよう、我々もサポートとしていきたい。

2004年10月17日

今日から現計画の政策の見直しのフェーズにはいった。すなわち体系は現状のままでよいのか、役割を終えて削除する施策な何か、新たに追加すべき施策は何かを分野ごとのグループに分かれて考えていくのである。まず、事務局からこれまでの議論を踏まえた5つの分野間の項目の重複などを整理した新体系案を分野ごとに提示した(A)。また現計画の項目ごとに「行政がすべきこと」して書かれた項目の実施状況一覧表を作成し、さらにこれまでの意見から追加すべき項目を加えた。これを「評価カルテ」と呼んでいる(B)。各グループでAとBの作業を行った。
最後のグループごとの発表は、今日は学生ではなく、ファシリテータや事情に精通した市民・職員が行った。

ごみのグループでは生産→流通→消費→分別・廃棄といった区分けは現計画を踏襲することになったようだ。今日の議論では、行政のすべきことだけを考えるのではなく生産・流通に絞って、事業者・市民の役割を同時に考えていったようだ。2001年にごみゼロプランが策定され、ごみ改革も一気に進んでいるので、例えばダストボックスの廃止などもう達成された対策のいくつかは削除してよいようだ。しかし、デポジット制度などやっていないものもあり、これら市でやっていくのは無理かもしれないとのことだった。容器包装リサイクル法が1年以内にも改訂されそうな中で、レジ袋税のように自治体の条例で規制・誘導をどこまでやっていくかがポイントとなりそうである。

大気・地球環境のグループでは評価カルテの修正・整理の作業にはあまり入れず、次回までに各自見てくることになったようである。地球温暖化の下にエネルギーを置くことの是非や、有害化学物質の扱いについてかなりの時間を割いて議論していた。有害化学物質はこのグループでは気化しやすいものを中心に議論していくが、大気だけでなく・生活、水にも関わるので各分野間で議論したものを調整するということに落ち着いたようである。また、個人版ISOなどは環境学習に整理してきたいとのことである。また施策レベル・行動レベル・理念的なものが混在しているので、この整理が事務局に宿題として出されたようだ。
生活(旧くらし)グループでは、評価カルテの修正・整理の作業にかなり入れた模様だ。駐輪場や朝市といった項目は生活道路に整理されているが、商店街で取り上げる方がよいといったことや、スクールゾーンは項目を残して警察に働きかけるとか、生け垣・並木については緑グループでお願いしたいといったことが話されたようだ。また、このグループでも施策内容と市が行動することのずれがあるとの指摘があり、整理が必要だ。

みどりのグループでは評価カルテの修正・整理の作業より、細部にかなりつっこんだ議論をやっていたようだ。緑の基本計画や都市計画マスタープランでは薄くなっている、丘陵、崖線、平地林などについての認識をメンバー間である程度共有できたようである。また、みどりの役割が変わってきており、そもそも何で緑地を守るのかと言うところを確認する必要あるという意見が出たようだ。水グループに移すことが提案されている用水についても議論が行われ、どこを残すか優先順位をつけることが必要との意見が出された。また農地を守るより農業を支援するという視点に立つことの必要性が言われたようである。

水グループも評価カルテの修正・整理の作業より、根本的なところの議論になったようだ。まず水問題は広域でないと解決が図られないという認識が示された。またディスポーザについて問題になり、これは下水に負荷がかかるのでなくしたほうがよいと市のマスタープランでは書いているが、国が許可しているので、結局のところ大口マンションはつけているという実態が報告された。このグループでも農地がないのになぜ用水を守る必要があるのか?用水の価値は他にあるのではないかという議論がなされた。農業についても議論がされたようであり、日野に農業は必要なのか、将来ゼロになってしまうという予測もある、農業だけで経済的に成り立たない。産業としての農業を育成が大事であり、税金を行政が税金を投入するには市民の理解が必要とのことだった。市の権限でできうることの範囲も問題になり、地方分権がより進んで権限が日野市に委譲されるまでの延命策が大事との意見も出たようである。また、前回策定時に「くらし」で扱うほうがよいとなった項目が、水にまた戻ってきたので、今後検討したいとのことだった。

 全体としてグループ間の差が出てきたように感じた。ごみゼロに関しては政策として一定の成果が出ており、また国レベルでも市民レベルでも論点が整理されているので、組みしやすい。一方水、緑、エネルギー・交通問題は日野市をはじめ、どこの自治体でも政策としてほとんど成功していない。そのため、議論が収束せず、そもそも論から入らなければならない。いずれにしろ、学生には難しい議論になってきたと思う。


2004年10月30日
前回の続きで、行政がなすべきことのワークショップを行った。当初の予定では、他の自治体の先進事例などを紹介する勉強を入れる予定であったが、すべての時間をワークショップに当てることに変更した。
「ごみゼロ」グループでは、前回生産→流通の流れまで検討したが、今回は処理→再資源化までの流れを検討したようだ。ごみの種類としてはプラ、生ごみを中心に考えることが必要であること、4R(Refuse:レジ袋有料化、Refuseマニュアルを作る)をうまく取り込むことや、費用負担のあり方について話し合われた。有料化+税負担でいくのか、事業者=消費者負担でいくのかが、国の政策によって大きく変わりうる点などが指摘された。また、プラのモデル分別実験を今行っているが、これが無料なので涼が多く出されていることや、紙おむつなど特定のヒトシか出さないものも無料収集しているのに、全員から出るペットボトルは有料にするのかといった指摘が業界から出されていることなどが紹介された。さらに結局はライフスタイルの見直し、事業者のあり方が大事だという話になったようだ。
「みどり」グループでは、貴重な植物がある杉野のグランドが開発されることになったが、環境基本計画が無力であり、計画の中でチェック機能、指導・モニタリングのシステムがまず考えないと、いつまで経っても緑地がなくなっていくことが変わらないとの指摘がなされた。公園については、防犯・防災まで含めて市内全体で、個々の公園でどのような環境改善をしていくかが問題である点、児童公園をリハビリ対応にしていくとか、ハードだけでなく、ソフト面で対応していくことが必要との指摘がなされた。さらに、温暖化、大気浄化、生物保護、教育面など緑地の機能を整理することが必要であり、緑地活用・維持管理のための情報整理と公開が必要との意見が出された模様だ。
 「くらし」グループでは、環境への負荷を与えない暮らし方が大事だということがまず出された。駐車場の緑化:樹木のある駐車場がいいが、落ち葉のことなどを考えると必ずしも好ましくないとの反対意見もあったようだ。また「里親制度」というのがあるが、言葉として里親がいいのかといった疑問も出された。防災面では、危険な建て方をさせない指導を、都市マスだけでなく、環境基本計画でも謳っておく必要があるとの意見が出された。また、パークウエイ(公園道路)について議論がなされた。日野になじむ形態は何か、たとえば公園をちりばめてつないでいくような道路がいいのではないかといった意見があったようだ。歴史的環境については散策マップがよくできているが、市民がよく知らないのでサイン計画が必要である、またいわれのある木が相続などでで切られるのを防ぐために、緑化税などの目的税を徴収して緑を守るために使ってはどうかという意見も出された。バスターミナルを駅から離すと現計画で謳っているが、高齢者にとっていいのか。再検討が必要であるといった指摘もあったようだ。商店街については、自分たちの生活の中に取り入れて日野の野菜などを利用して活性化されるとよい、広場などを設けて産業祭りなどを開くことで、駅前の再開発ビルではなく日野らしく個性ある商店街を目指すべきとの意見が出された。さらには自分の緑は責任を持って維持する雰囲気作りや周辺の環境に配慮した開発の指導が必要であるとの意見も出たうだ。
「水」グループでは、地下水の涵養地の保全に必要な樹林地の保全がみどりの基本計画には載っていないので、これらの数値目標を設置する方がよいとの意見が出された。また森林ボランティアの育成を行う必要性が指摘された。さらに、雨水浸透施設について、雨水浸透マスは時間がたてば詰まるだろうが、これまで維持管理ついてははあまり議論されていないので、長く使っているところの現地調査をするなど実態をよくみたうえで設置者にアドバイスすることが大事との意見が出された。地下水流動の変化の防止のためには、地下水の調査情報をもっと公表すべきであり、建築物を建てるときに地下水を考慮したアセスメント的なものを取り入れるべきとの意見も出された。用水については清流条例はS54年に制定されたもので環境面の配慮が乗っていないので、見直し必要であることや、浅川水量確保について流域の自治体と連携、例えば八王子市の連携をもっと具体的に進めるべきとの意見が出されたようだ。
「地球環境」(旧大気)グループでは、温暖化・エネルギーについて話し合われた。事業所に関してはISOに取り組んでいる自治体も増えており、また国の法律も強化されているので、むしろ市民向けの方策の強化が必要だろうという意見が出された。ただ目標を設定すると言うことにはいろんな議論あったようだ。市民版LAS-Eを計画の中で位置づけるとか、実現できるメニューを提示していくことが意見としてでたようだ。公共交通については、ミニバス路線の設定・運行状況を見ると人が乗っているところと乗っていないところのばらつきがあり計画性がない。ワンコイン化より、運行頻度を増やすなど利便性確保が大事でとの意見が出された。ノーカーデーはただ単にやるのではなく、通勤を車から乗り換えを促進する「車のない日」とか迫力のあるものをやるべきとの指摘があった。新エネルギーついては:日野だけでは供給源が足りないし、単独の工場では供給需要のバランスが悪いので、広域的に連携して取り組むべきであり、技術もやみくもに採用するのではなく、LCA評価が必要との指摘がなされた。太陽光発電の普及促進は現実的だが、今クリーンセンターで実験している生ごみメタン発酵を集中してやったらどうかという指摘もなされた。
全体として多様な意見が出され議論が深まっているが、現計画の修正作業を忠実にグループと、おる点にスポットを当ててつっこんだ議論をしているグループに分かれてきているように思う。「行政がなすべきこと」の議論は今回で終了の予定であったが、次回も引き続き行わざるを得ないと事務局サイドでは考えている。このことを次回11/7の午前中に市民の運営会議を開き、今後のスケジュールの修正について議論してもらうことになった。また5つの大項目に含まれる中項目を別の大項目に移動するのかどうかについても賛否両論があり、運営会議で検討することになった。