今日はLAS-E第1ステージの研修で、二度目の八王子市の訪問である。西八王子駅には環境政策課の担当のUさんが9:20に迎えに来てくれていた。
八王子市は人口54万人で、これまでLAS-Eに取り組んだ最大規模の自治体の伊丹市は人口19万人なので、桁外れに大きい。そのため教育・保育部門をはずすなど、共通実施項目のうち数項目を対象から除外している。
午前中10:00からの研修では副市長の挨拶の後、環境推進責任者約100名が研修を受け、午後13:30からの回は環境部長の挨拶の後、環境推進員約100名が研修を受けた。今日出席できない人には水曜日に環境政策課から説明するとのことである。一般職員へは環境推進責任者および環境推進員を通じて職場研修を行い周知徹底するそうだ。研修内容は、まず私からのLAS-Eの概要の説明の後、担当のMさんから「環境マネジメントシステム職員ハンドブック」などについて説明があった。このハンドブックは24ページとコンパクトなものでで、これまでの自治体のものと違いLAS-Eの規格順に取り組み内容を並べるのではなく、一般職員や責任者といった役割ごとに取り組み内容が整理されているのが大きな特徴である。LAN上の公開フォルダから、各課がプリントアウトして携帯するようなしくみをとることにしている。
八王子市の環境マネジメントシステムの組織体制はエコアクションプランの組織を踏襲しており、環境推進本部とその実行組織の庁内環境調整委員会からなる。環境推進本部の本部長は市長であり、副市長や部長から構成される。10月末に初回の会合が開催され、そこでLAS-Eに取り組むことが承認された。庁内環境調整委員会には小委員会と幹事会がおかれ、実質的な内容はここで審議する。小委員会は部長級、幹事会は環境関連部局の課長で構成される。今年度はごみ処理基本計画の関連で7回開催したが、前回は環境マネジメントシステムについて議題に出され、LAS-Eに取り組むことが承認された。実際のシステム運用は、課長級の環境推進責任者とその指示を受けた係長級の環境推進員があたることになっているので、本日その方々の研修を行うことになったのである。
目標設定チームと監査チームの市民メンバーはパートナーシップ組織である環境推進会議から出されるが、これには市内6地区の環境市民会議の代表者が入っているので、環境推進会議について触れておこう。
環境市民会議は、市内を6つの地区に分け、それぞれの市民・事業者によって自発的に環境保全活動を行う実践する組織で、平成14年7月に設立された。各地区最大50名程度で構成されている。身近な環境について話し合い、その地区の環境をより良くするために行動し、その地区の取り組みの推進力となることを目標としている。ホームページには会議の日程が掲載されており、2つの地区では独自のホームページも持っている。各部会の活動内容やスケジュール、環境マップなど多彩な内容が掲載され大変充実したホームページになっている。
環境推進会議は、6地区の環境市民会議代表者2名ずつ計12名に、公募市民3名、行政部局代表の部長6人で構成される。環境推進会議は例年4回ぐらい開催するそうだが、今年はごみ処理基本計画策定の関係ですでに7回行っているとのことである。
一方、環境基本計画の進捗状況は半年ごとに把握しており、その状況は環境推進会議にも報告される。さらに各地区の環境市民会議の活動状況についても報告される。また1年間を通しての活動成果は、毎年9月に発行される環境白書で公表されている。その第5章で6地区の環境市民会議の活動状況が記載されているの特徴である。
話をLAS-Eに戻そう。八王子市では目標設定チームに環境推進会議をあてた。11月1日に第1回目の委員会が開催され、事務局から独自目標原案が提示された。次回は29日に行われ、その場で目標値が決定される予定だが、6地区の環境市民会議代表者は各地区で自主的に開かれている環境市民会議で意見を聞いた上で次回に望むとのことである。独自目標は基本的に平成17年度〜22年度のエコアクションプランの目標値をベースに単年度の目標を割り出して提案されている。
一方、監査チームの市民監査員にはこの環境推進会議の市民15名になってもらい、行政側は庁内環境調整委員会の幹事会メンバーになっていただく方針である。市民監査員の数は伊丹市が24名なのに比べ少ないようにも感じるが、今年度は対象が120施設あまりなので、2人1組のペアならば十分回れるであろう。
研修終了後、事務的な打ち合わせを環境部次長兼環境政策課長のAさん、担当のMさん、Uさんと行って、16:30ごろ市役所を辞した。八王子市は環境マネジメントシステムを12月から開始し、3月には監査を行おうという、かなりの強行スケジュールである。大きい組織の割に意思決定や情報伝達がスムーズに行われているように感じたので、エコアクションプランで培った体制を有効活用していけば、予定通り進めることは可能な印象を受けた。
午前中の研修
午後の研修