2003年8月25日

二ツ井町へは正確に数えていないが、恐らく30回ぐらい行っていると思う。朝5時前に家を出て羽田空港へ。7:20羽田発ANK大館能代行きに乗るためだ。飛行機はふだんは空いているのだが、この日は白神山地のツアー客が大勢乗っており、ほぼ満席だった。大館能代空港は、霧や雪などで天候の悪いことが多く、3回に1回ぐらいは秋田空港か羽田に引き返すとアナウンスされる。しかし実際にそうなったことは経験がなく、今日も大館能代空港には無事8:40頃着いた。役場の方の迎えの車で役場に向かう。バスの存続のためにもバスで行った方がいいのだが、いつも甘えてしまう。聞くと、さっきまですごい雷雨だったそうだ。20分ほどで役場着。

二ツ井町は白神山地の秋田県側の玄関であり、なんと言っても杉の町。役場は杉をふんだんに使ったもので、一見の価値有り。玄関をはいると大きな杉の柱がドーンと立っている。LAS−Eの合格証も玄関に飾ってある。カウンターも職員の机もみんな木だ。3階の廊下には解体した建物の廃材も使っている。

今回の訪問の主な目的はLAS=Eの職員研修の講師である。毎年8月末に1回、全職員対象の研修をやることになっている。10:00からと13:30からの2回、LAS−Eの第2ステージで取り組むべきことの説明を中心にさせていただく。豪雨の災害対策で出席できない人も少しいたようだ。

昼前に町長と懇談する。前回来たときはちょうど能代市との合併方針説明の時でお会いできなかった。最近体調がすぐれないといったら、「それは東京に住んでいるからだ、二ツ井町に住んでいればそんなことなないよ」とこっちが言おうと思っていたことを先に言われてしまった。

お昼は二ツ井駅前の前田屋に連れて行ってもらう。ここの肉うどんは二ツ井に来たときに愛用しているもののひとつだ。比内鶏スープに稲庭うどん、馬肉が少々ははいっている。二ツ井は他にも麺類がうまい店が多い。?のラーメン、?のそば、それに役場のもっくん食堂の鍋焼きうどんと焼きそばもうまい。製麺のときの水が違うのかもしれない。

研修終了後、打ち合わせを少ししてから二ツ井駅まで送ってもらった。晴れていれば自転車で移動するのだが、、、。二ツ井町は「自転車のまちづくり」を進めており、駅や役場、きみまち阪など7カ所のサイクリングターミナルに共用自転車「チャリンジャー」号が置いてある。この自転車は、会員自治体である杉並区から廃自転車を譲り受け整備したもので、町内の平地部の移動には大変便利である。駅から役場、きみまち阪方面には、緑に塗られた自転車専用レーンが設置されており、安全に走行できる。

今日は次の移動の都合で秋田泊まりであるが、いつもは「きみまち阪ヘルスセンター」に泊まっている。浴場に宿泊施設が併設されたものでああるので、風呂が広くて気に入っている。白神山地へは駅前からツアーも出ている。

二ツ井町役場

モクネット 二ツ井再発見

白神山地を守る会








2004年8月26・27日

8月末は毎年、環境マネジメントシステムの職員研修のため、二ツ井町を訪れる。二ツ井町役場は大館能代空港から車で20分のところにある。羽田−大館能代のANA便は朝夕2便あり、日帰りすることも多い。しかし、朝便に乗るには朝5:00過ぎに家を出なければならない。最近朝が弱くなって起きるのが不安なので、今回は前泊することにした。夕方16:15羽田発のANA便は、機材のやりくりの関係で1時間遅れた。役場のAさんが空港に迎えに来てくれた。いつもながら公用車を使わせてしまって申し訳ないと思う。

泊まるのは「きみまち阪ヘルスセンター」という、やや古びた旅館兼公衆浴場である。きみまち阪観光ホテル(これも古びた旅館だった)が潰れてからは、いつもここを利用している。夏休み中であるせいか、宿泊客が結構多く、いつもと違う棟の部屋をあてがわれた。アテネ五輪をテレビで見ながら明日の研修のパワーポイントを作る。

翌朝の送迎は辞退し、チャリンジャー号(二ツ井町の共用自転車の愛称)で役場へ向かうことにした。きみまち阪周辺は、道の駅や観光センターなどがあり二ツ井町の観光拠点である。町内7カ所にサイクルステーションがあるが、そのひとつがここにあり、旅館と目と鼻の先なので好都合である。朝9:00前に宿を出てサイクルステーションへ行くと、おばさんが丁寧に掃除をしている。自由に乗っていっていいのだが、一言断って自転車を借りた。国道にかかる自転車用の長々とした跨線橋を渡り、自転車道にはいる。左手にゆったりとした流れの米代川、その向こうにはもっこりした七座山が見える。右手はきみまち阪公園である。自転車を降り、久々に公園の上に登ってみた。切り立った崖の上に松が数本立っており、日本画をみるような風情がある。

公園を下りると左手に小さなトンネルがあり、これは奥羽本線の廃線跡らしく昭和46年まで使っていたと書いてある。隠れ鉄道ファンとしてはこれは発見である。白神山地に源を発する藤琴川をわたり、米代川沿いを走る。ここは桜堤といって河川土手下には桜の木が延々と続いている。二ツ井には何十回と来ているのにここの桜が咲いているところを一度も見たことがないのは残念である。しばらく走ると丸太のモニュメントが突如現れた。後でAさんに聞いてわかったのだが、テレビ東京の「テレビチャンピョン」で、丸太で作る王座決定戦が二ツ井町で行われ、3つ作られたうちのひとつがこれだった。町民100人が審査に加わったそうだ。秋田杉の本場が舞台になったのは嬉しいことである。

米代川沿いを下りて秋北バスの営業所の横をすり抜け、しゃれた作りの特別養護老人ホームの前へ出た。福祉と言えば隣の鷹巣町が有名だが、二ツ井町も結構力を入れている。しばらく進むとデイサービスのバスが目の前をすり抜けた。

役場に近づくと今度はコミュニティバスとすれ違った。これも路線バスの廃止に伴い、町が運行し始めたものである。役場のサイクルステーションに自転車を乗り捨て、庁舎の中にはいった。

正面玄関ロビーにそそり立つ秋田杉は何十回見てもすごいと思う。助役や21創造課長、ISO時代からの担当である課長補佐のHさん、Aさんの歓待を受けた。

二ツ井町はこの5月からLAS-Eのエコアクション部門の第2ステージに取り組んでおり、職員研修はLAS-Eの第2ステージに関するものである。合間にHさん、Aさんとの打合せを挟みながら午前、午後の2回の研修をした。計75名が受けたが、約150名の職員がいるから半分程度である。昨年よりは多かったと思う。

研修終了後、再び打合せをして、帰り際に丸岡町長と会った。町長は別室にこもって9月議会に提出する新基本構想の文面に赤を入れていた。環境自治体会議全国大会のときの宣言文のときもそうだったが、元新聞記者だけあって、徹底的に直しているみたいだ。相変わらず頭の回転が速く口が滑らかで、合併の話から、郵政民営化の話、エネルギーの話まで次々と繰り出す。もっと話を聞きたいが飛行機の時間があるので「また来ます」と挨拶して早々に辞した。

二ツ井町は4月以降、合併がらみで環境管理事務局の体制が整っていなかったが、LAS-Eに切り替える前のISO14001取得時代から足かけ4年、職員の環境意識は着実に高まっており、研修の場で何人かに訊くと事務局が何も言わなくてもやることはやっているようだ。来年10月の合併を目指し、新市の名称がまもなく決まるようであるが、この精神と行動が新市に受け継がれることを期待したい。

きみまち阪県立自然公園

直線上に配置
秋田県二ツ井町 訪問記
きみまち阪ヘルスセンター
道の駅(右)とサイクルステーション
   きみまち阪の断崖
米代川と七座山
きみまち阪公園の恋文ポスト
桜堤沿いのサイクルステーション
奥羽本線のトンネル跡
桜並木と丸太のモニュメント
デイサービスの送迎バス
特別養護老人ホーム「よねしろ」
自転車専用レーン
研修会の模様